スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

うまい中華

 環八沿いのある街で、ものすごい変なおやじを見た。

 そこはちょっとショボめの中華系チェーン店。ちょっと小腹が空いたので、簡単にということで、私たちはカウンターに座り“麻婆飯”を食っていた。

 そこにそのおやじは現れた。

 店内に入る早々ものすごい負のオーラ。おやじは二人連れだった。おやじは、他の場所も空いてるのにわざわざ私たちと向かい合わせのカウンターに座った。へんに距離が近くてうっとうしい。

 年の頃は、50代半ばか。平幹二朗を三倍ぐらい陰気にしたような完全なイラチ顔。でも、長めの白髪オールバックやその眉間のあたりの表情からは、仕事のできるうるさ型の建築家あるいはデザイナーのような雰囲気をどこか漂わせている。

 もしかすると有名な人? 一瞬、そう思うが着ているモノをよく見ると、有名人にしてはへんなテカリのある安っぽいジャージ素材だった。

 そして、おやじは突然、暴走を始めた。

 おやじは、注文を取りに来た店員さんに向かって、なぜか、連れの人のオーダーを、勝手に「担々麺&麻婆飯セット」に決めて発注してしまった。驚いた連れの奥さん(らしき人)が「そんなに食べられない」と文句を言うと、「うるせーな、てめえ、バカヤロー」と店内に響き渡る声で鬼ギレ。店内に一瞬、緊迫した空気が流れた。

 どうやら、その“セットの一部を自分が食う”という勝手な計画を持ち、それを相手に伝える前に頭ごなしに粉砕されそうになったことが、彼のカンに障ったらしい。

 バカな話だ……。(気持ちはわからないでもないが……)

 そのくせ、発注しおえた途端、中華屋にいるのに大きな声で、「ああ、うまい中華食いたいなあ」なんて、そのさっき怒鳴った奥さんに親しげに話しかけている。

 リズムがつかめない。

 そして、時折凄む。

 「俺がなぜ天津飯を食わないか分かるか? それはごはんが白いからだ。あのごはんの部分が炒飯だったら絶対に頼んでる」、ってそんな情報どうだっていいがな。

 しまいには、私の連れの食べていた餃子をガン見し、自分も食いたくなって頼む。

 もう単なるガキだ。しかも、基本「負の人」だから会話に一切笑いがない。

 私たちは早々と食べ終わり、彼らの注文した品が運ばれるのを待つことなく店を後にした。

 店の外に出て、あまりの“恐ろしさ”にずっと観察してたと告白した私の連れに、とどめのバカな話を教えてもらった。

 彼は奥さんの分として「担々麺&麻婆飯セット」を頼んだのだが、そのおやじも結局麺と麻婆飯(ハーフ)のセットを頼んでいるので、サイズの違う麻婆飯を並べて両方食うという思いっきりバカな展開になると呆れながら言った。

 やっぱりそのおやじは、建築家とかデザイナーじゃないと思う。

 規模にしても絵柄にしても、センスなさ過ぎ。

 では、ハバナイスデイ。

2010.01.28 | コメント(0) | トラックバック(0) | マンガ的!

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

« 前のページへ  | ホーム |  次のページへ »



FC2Ad

プロフィール

中丸謙一朗

Author:中丸謙一朗
職業:編集者・コラムニスト
1963年生まれ、横浜市出身。立教大学経済学部卒。1987年、マガジンハウス入社。『ポパイ』『ガリバー』『ブルータス』などで編集を手がけた後、独立。著書に『大物講座』(講談社)、『ロックンロール・ダイエット』(中央公論新社・扶桑社文庫)、『車輪の上』(エイ出版)、漫画原作『心理捜査官・草薙葵』(集英社コミックス)など。編著多数。

お問合せ

NKJへのお問合せ・ご質問等は以下のフォームよりお気軽にどうぞ。

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード

QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。