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私を苦しめた炒飯

 ラーメンをやる人は多いが、私は断然炒飯派だ。ラーメン専門店ではなく、できるだけ「テーブルの赤そうな」街の中華屋に興味がある。また、「一事が万事。炒飯が全丼」、炒飯を食べれば、その店のすべてのメニューがわかると思っている。

 あの店がうまい、この店がいい、とガラにもなくうんちくをたれることも、ま、この炒飯に関してはできなくもない。

 だが、私が炒飯に求めているものは実はそんなに大仰なものではない。

 具なんかははっきりいって何だっていい。たいして何も入っていないのが炒飯であり、あんまり具が入っていたりあんかけがかかっていたりすると、それはもう違う料理なのだ。

 中華屋ならではの「中華だし」、「強い火力」、「ちょっと焦げたネギの香り」など、要は、ちゃんと中華してて欲しいだけなのだ。

 さて、そんなわけで、今回お届けするのは思いっきりの変化球。

 題して、「私を苦しめたまずい炒飯ベスト5」をお送りしたい。

 なお、店名などは記さないので、勝手に想像してまずがってちょうらい。

 まずは、第5位。

(5)ただ“すっぱい辛い”だけのキムチ炒飯。

 ……これはキムチを過信することによって起こるケースである。キムチを入れることによって、その他の味の調整をしなくていいと思っている乱暴な思想の結果だ。毒々しい色ばかりが目立ち、うまみがまるでなく、韓国にも中国にも申し訳が立たない代物となっている。

 で、第4位。

(4)薄味で、食べる動機を途中で見失い始める炒飯。

 ……これは比較的アッパーな住宅街のおしゃれ中華屋にて見られる傾向。塩の使い方の“思い切り”が悪いので、食っている途中でなぜか(あきらめの)ため息が出てくる。元々の味付けが弱いので卓上のラー油などを足しても、その状況はあまり変わらない。茫洋とした砂漠のような味覚が延々と続くが、途中で餃子を頼んで、たれにつけたものを上に載っけて食うようになってくると、もはやその炒飯は死んでいる。

 はい、第3位。

(3)安っぽいみじん切りの“なると巻”ばかりが目立つ何も特徴のない炒飯。

 ……街の中華屋に飛び込みで入るといちばん遭遇するケースである。うまくもなんともない、というのが絶対なる感想である。この場合、ごはんはべちゃべちゃでもパラパラでもどちらでも、どうでもよし。店主が、技術の向上を怠り、十年一日のごとく、どうせ“炒飯ごとき食い物”としてなめくさっている証拠の品である。単品で頼むと客も店主もポカンだ。

 とうとう、第2位。

 (2)なぜか輪切りの大根の煮付けが同じ皿上に載せられていて、そんなに味が悪いわけではないのだが、どちらもなかなかのどを通っていかない炒飯。

 ……これはやや特殊なケースだが、実際にあったものなので紹介しておく。輪切りの大根の煮付けに関しては、健康を考えた店主の心意気と評価したいところだが、本来が煮物と炒め物。ブレーキとアクセルをいっぺんに踏むような中華のスピンターン。皿上の水分の移動がまた面妖で口内を含め、まるで水分が流通するのを固辞するかのように、嚥下などのあらゆる流れに障害が起こる。メニューの名前は「田舎炒飯」。基本的に田舎をなめている。

 そして、栄えある第1位!

 (1)雑巾みたいな匂いのするごはんを使っている炒飯。

 ……声を大にして言いたい「いちばん恐ろしい症状、雑巾系」である。たしかに炒飯は炊きたての米ではなく、少し時間の経った、あるいは残ったご飯が使用されることが多いが、その時間経過には自ずと限度というものがあるはずだ。何時間経つと雑巾になるのか知らないが、とにかく炒飯を“残り物の活路”として存在させるのはやめてもらいたい。本当の炒飯好きは決してごはんの味を見逃すわけではないし、ごはんの雑巾臭は炒めたぐらいではけっして飛ばない。ちなみに変化系として、炒飯ふつうだが、添え物スープ雑巾系というのがある。これも基本、私は許していない。

 以上で発表を終わる。

 みなさまの正しき炒飯ライフにぜひお役立てください。

2010.04.07 | コメント(0) | トラックバック(0) | マンガ的!

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プロフィール

中丸謙一朗

Author:中丸謙一朗
職業:編集者・コラムニスト
1963年生まれ、横浜市出身。立教大学経済学部卒。1987年、マガジンハウス入社。『ポパイ』『ガリバー』『ブルータス』などで編集を手がけた後、独立。著書に『大物講座』(講談社)、『ロックンロール・ダイエット』(中央公論新社・扶桑社文庫)、『車輪の上』(エイ出版)、漫画原作『心理捜査官・草薙葵』(集英社コミックス)など。編著多数。

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