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エスパイ

 映画『エスパイ』を見た。小学校の頃、従兄弟たちと関内の映画館に見に行った思い出深い作品だ。

  原作は小松左京。SFっぽいというかニューエイジ的というか、とにかく、公開当時、いくら私が小学生だったにしても、その「荒唐無稽な企画」感があまりにもトホホだったのと、それから、劇中に飛び出た由美かおるのおっぱいがすごすぎて、詳細をすべて吹き飛ばしてしまった、という、そんな作品と化していたので、もう一度この目で、この作品の本当の質感を味わおうと、ビデオ屋で借りてきたのでした。

 で、改めて、感想。

 もー、なんかすべてがマンガ的だった。

 超能力の出し合いといい、スイスと称した野っ原でのロケの「頃合い」といい、爆破シーンの中途半端な火薬量といい、何から何までマンガ的。しまいには、草刈正雄のバタ臭いかっこよさまでが、マンガ的に見える。

 インドの行者(みんなから導師と呼ばれている)と称する人間は日本人の黒塗り、スイスや中東の都市(イスタンブール)などを舞台にしているが、出てくる外人はみんな日本語(吹き替え)という制作者側のざっくりとした進行具合。

 公開当時、話題にもなった由美かおるの催淫剤を飲まされて、セクシーダンスを披露するシーンだけは、子どもの下腹部を直撃。おっぱいが飛び出るシーンは、まさに「エスパイ」と声を出して叫び出したくなるようなびっくりよう……。

 また、世知辛しさもグローバルスタンダードな現代と違って、日本が勝手に描き出す「インターナショナル」は、どこか牧歌的。バルトニア首相の暗殺計画が進行しているという設定なのだが、武器自体が(あるんだかないんだかはっきりしない)超能力でたいしたことないから、これといった緊張感もなく、全体的にほのぼのとしている。建物の少ない原っぱでロケをしているさまは、ほとんど「かくれんぼ」の世界観だ。

 それにしても、今の「風俗」に比べると、登場人物すべてが濃い。もう、こってこてのおたふくソース。顔が濃いだけでなく、佇まいそのものが濃い。

 主人公である藤岡弘と由美かおるが、だべってるというか、「密度の濃い」おしゃべりをしている場所はパリのカフェなのに、なぜか日本のスナック感バリバリ。おまけに、由美かおるのホットパンツは、「自然環境」を破壊しかねない迫力の悩殺ぶり。 敵役の若山富三郎(特別出演)の髪型は意味もなく鳳啓介風。今で言えばタカトシのタカの髪型。

 ……と、あまりこういったツッコミを前提に映画を見るのは好きではないのだが、それにしても、この『エスパイ』はその禁を破ってしまうほどの「マンガっぷり」であるということだけは、この際、確認しておきたいと思う。




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2011.01.13 | コメント(0) | トラックバック(0) | マンガ的!

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プロフィール

中丸謙一朗

Author:中丸謙一朗
職業:編集者・コラムニスト
1963年生まれ、横浜市出身。立教大学経済学部卒。1987年、マガジンハウス入社。『ポパイ』『ガリバー』『ブルータス』などで編集を手がけた後、独立。著書に『大物講座』(講談社)、『ロックンロール・ダイエット』(中央公論新社・扶桑社文庫)、『車輪の上』(エイ出版)、漫画原作『心理捜査官・草薙葵』(集英社コミックス)など。編著多数。

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