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書評【天才伝説 横山やすし】

 横山やすしと「男気」の関係は、実に難解である。だが、ここで私が提唱する(というかこだわる)ふんどし感というものとは、ちょっと違った方向に行っているような気がする。その「ちょっと違った方向」を小林信彦は(あくまでも自分自身のためにのみ)淡々と語っていく。そこにこの本の味わいや「おかしみ」が存在する。

 好き嫌いはともかくとして、横山やすしとは、やはり多くの人々にとって「魅力的」な存在であったのであろう。あくまでも「記録的」な文面の中に、そんなことが醸し出される。生き急いだり、世間に対してハチャメチャなことをすることが、必ずしも「ふんどし的行為」だとは言えない。だが、素材や形状は何であれ、ユルユルではなくキュッと引き締まった「何か」を身に付けていたということだけは確かなのである。

 ちなみに、個人的な話で恐縮だが、筆者であるこの私は、1980年代、大学生の時にテレビ朝日の某番組でADをやっていた。その番組の大御所中の大御所が横山やすしさんであった。

 収録中、フロアでいろいろと「お世話」(怒鳴られるとか、水割り作るとか、怒鳴られるとか……)をしたのだが、当然のごとく名前などは覚えてももらえず、「なんや、にーちゃん」とか「おお、にいちゃん、ありがとな」とか、怒ったり笑ったりした顔で言われていたのが、良き思い出となっている。
 二年にも満たないほんの一瞬の交わりであったが、この天才と一緒の時間を過ごせたことを誇りに思っている。


天才伝説 横山やすし (文春文庫)天才伝説 横山やすし (文春文庫)
(2001/01)
小林 信彦

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『天才伝説 横山やすし』小林信彦(文藝春秋)
ふんどし度 ★★
(再録)



書評【日本の喜劇人】(小林信彦著、新潮文庫)

 関連書籍でもう一冊。
 この本というより、作者・小林信彦の評論の姿勢がたぶんにふんどし的である。

 いいかげんなことは言わない。書きつけることには、徹底的に責任を持つ、そんなちょっと神経症的にも思える姿勢に、キリリとしまったふんどしテイストを感じるのだ。

 宍戸錠やトニー谷に対する評論は秀逸。単なるマッチョ的な男臭さではなく、そこに「文学」を感じさせるような繊細な「男気」をあぶり出している。

 ふんどしを身に付けた男が、日本海でも荒れ田畑でもなく、デスクに座ったらどうなるのか。小林信彦は、いつも私にこんなことを教えてくれている。

 日本の芸能に感心のある人はぜひ読むべし。


日本の喜劇人 (新潮文庫)日本の喜劇人 (新潮文庫)
(1982/11)
小林 信彦

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【日本の喜劇人】(小林信彦著、新潮文庫)
ふんどし度 ★★★★
(再録)


2009.12.03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 書評・ふんどし本の世界

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プロフィール

中丸謙一朗

Author:中丸謙一朗
職業:編集者・コラムニスト
1963年生まれ、横浜市出身。立教大学経済学部卒。1987年、マガジンハウス入社。『ポパイ』『ガリバー』『ブルータス』などで編集を手がけた後、独立。著書に『大物講座』(講談社)、『ロックンロール・ダイエット』(中央公論新社・扶桑社文庫)、『車輪の上』(エイ出版)、漫画原作『心理捜査官・草薙葵』(集英社コミックス)など。編著多数。

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